「人間の運命」(角川文庫 ショーロホフ)のうち表題作である短編を読み終わりました。
作者紹介にて「静かなドン」でアカデミー文学賞を受賞と書いてありましたが、いまいちピンとこない。
ああ、「静かなるドン」の元ネタか! と思ってしまった次第です。
ドンはドンでも元ネタの方は地方名で、パロった方は親分です。
それで「人間の運命」の感想です。
作者がソ連出身であり先の大戦に大きな影響を受けており、本短編では一人の男が自分の反省を語っています。
家族との幸せとドイツ軍の捕虜になったこと、戦争がおわってからの悲しみを経て、男が幸せを得るまでが独白形式でつづられていました。
たぶん本作が表題作足りうるのはラストの意外すぎるオチにあるんじゃないか、と思っています。
はじめ意味がわからず、顔をしかめながら読み返していましたが、藤子・F・不二夫の「気楽に殺ろうよ」に近い不条理なものを感じました。
ちゃんと理解するためにはもう一回ぐらい読みなおした方がいいんでしょう。
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