「三国志 第四巻」(文春文庫 宮城谷昌光)の続きを読みました。
トウタクが死に、オウインも消えていく。
史書が元になっているためかチョウセンと呂布の話はでてきません。
光栄三国志や無双で抜群の強さを誇る呂布もそれほど強くは描かれていません。
北方版だと呂布の人格を作るため無欲さを強調していましたが、そんなところは全くなし。
後にソウソウに対して美人の未亡人を利用した謀略地獄(酒見版より)を仕掛けるカクの方が目立っていました。
本巻は第二巻~第三巻にかけて登場し活躍した人々が時代から消え去っていく様が書かれていて、また代替わりの巻という見方もできます。
エンショウから是非天子になるよう進められた、いわば仁義の人であったリュウグがコウソンサン攻め殺されてしまいます。
リュウグは「人を殺すな、家を焼くな」という現実離れした戦法を取ったがため敵兵を殺すことができず「無用な情けのために敗北を招」いたとあります。
敗北と死が訪れたとはいえ信念を曲げなかったことにより
リュウグの名声は残り、コウソンサンの没落が始まります。ほかの三国志を読んだことがあるのならばコウソンサン自身も時代から消え去ってしまうことがわかるでしょう。
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