「三国志 第四巻」(文春文庫 宮城谷昌光)の続きを読みました。
今日は徐洲~キョヤの章まで進みました。
三国志演義の主人公であるリュウビがようやく表舞台に立ち、呂布やソウソウ、エンジュツと比べても準主役級の扱いになった感があります。
リュウビの魅力に最初に気づいたのは関羽(関帝廟にまつられている人・商売の神様)とあり、人となりについて書かれています。
一言「わかりにくい」と書かれ、儒教の視点では理解できない、老荘思想の影響を受けている人とも書かれていました。
余談ですが、リュウビがレッドクリフ(赤壁)に至るまでの半生を酒見版三国志「泣き虫弱虫諸葛孔明」では、はちゃめちゃ、行き当たりばったりと表現しています。乗りと勢いと類を見ない強運だけで乱世を生き残ったあげく、妙な勘だけはある。無双でビームを出す変態と化した孔明を採用します。
宮城谷版でもリュウビの評価が高く、「奇貨居くべし」の言葉で表され、記憶が正しければ一巻から四巻までの間この表現を用いている人物はいません。
五巻以降どんな描かれ方がなされるのか期待しましょう。
さて宮城谷版だと演義のかませ犬が良器になる現象が発生しているのですが、朱霊もその一人です。
確か、ヒニクのタンのエピソードのあたりでリュウビに逃げられるはず。書き方の違いで印象が変わってくる。
それにしても、登場する人々のほとんどが清々しく書かれています。
[0回]
PR